茶盌 蝶と三鱗 / 燔師

令和七年　勅題「夢」
勅題とは毎年行われている宮中での歌会始めの御題です。茶道では、新年に干支ともに勅題に因んだ茶道具が選ばれます。

胡蝶の夢は、中国の荘子の考えを示すといわれる有名な故事です。この世は夢か現実か、そういった境地を超えて、ありのままを大切にする無為自然の考えを表しているそうです。この蝶は、羽に鱗紋がございます。蝶は実は蛇の夢の中の姿なのかもしれません。古来より、蛇は神の使いとして信仰されてきました。特に夢に白蛇を見ると吉兆と喜ばれました。
巳年のはじめに、茶盌の中の夢に思いを巡られてお使い頂ければ嬉しく思います。

サイズ　　130 × 120 ×ｈ75 mm
素材　　　燔師（宇治の陶土）
釉薬　　　透明釉、鉄絵
焼成　　　ガス窯
箱　　　　木箱 ※受注後に制作、約二週間